キャベツ畑でつかまえて

観劇の長い感想と記録を残すブログです

禺伝を観た人向け刀ステで何が起こっているのか問題

WARNING
この記事は、刀剣乱舞ミリしらで舞台刀剣乱舞 禺伝~矛盾源氏物語~を観て、「なんぞ??」となった人向けに書いています。
!!!禺伝のネタバレを含みます!!!
そのつもりでご覧ください。

 

禺伝、最高でしたね……

あきらさんの光源氏はキャスト発表時から約束された勝利だった上に蘭稜王みたいな姿で現れるし、「お兄さま」と呼ばれるお兄さまと凪さままで爆誕してたし、あやなちゃんの御前かわいすぎだし姫は麗しいしにゃんは可愛いし、ちょもさんの小鳥になりたい人生だった。

で。

他の人の感想を見てると「これはゲーム要素?」とか「知らん人が出てきた」という感想を見かけたので、ちょっとゲーム要素の解説と「知らん人」は何に出てくるのかを書いてみようと思います。

 

 

原作のゲーム要素はどれ?

刀剣乱舞とは、歴史を改変しようとする何者か(禺伝だと、「物語を事実としようとする名もなき者」)から歴史を守るために闘う刀剣男士の物語です。
わりと「刀剣男子」と書いてる方を見かけましたが、「男士」です。サムライです。

刀剣男士たちは自分を顕現(実体化くらいに考えてOK)した審神者を「主」とし、同じ主の元に集う男士達で「本丸」を形成しています。つまり、審神者(≒ユーザー)ごとに異なる本丸があり、同じ闘い(ゲーム)をしていても本丸ごとに異なる物語があります。
あなたの本丸にいる歌仙さんと私の本丸にいる歌仙さんは別個体だし、刀ステに今まで出演していた和田琢磨さん演じる歌仙さんと、七海ひろきさん演じる歌仙さんは別の歌仙さんです。

「ノ定が一振」や「万死に値する!」等の決めゼリフはゲーム内のセリフです。冒頭で一列になった時のセリフは本丸に初めて来た時のセリフ…… を、少しアレンジしたものです。他の刀ステ作品ではアレンジ無しなので、ゲームユーザーはここで「おや?」となりました。

「演練」はゲーム内にある要素で、ランダムで選ばれた他の本丸の部隊と対戦すること。

三日月宗近みかづきむねちか)」と「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」は刀剣男士の名前。

アイコンになってるのが三日月宗近、ヘッダーの布被ってるのが山姥切国広

舞台刀剣乱舞(通称:刀ステ)は各演目単体の物語の他に、シリーズを通して三日月宗近と山姥切国広を軸とした物語があります。思わせぶりにこの二振が出てきたのはゲーム要素ではなく刀ステ要素です。
詳細はぜひ刀ステの他の作品をご覧ください。禺伝本丸とは別の本丸のお話ですが、禺伝理解の助けになるかも…??
シリーズ通して脚本・演出はずっと同じ人なので、禺伝のお話が好きだった方はどの演目も楽しめると思います。
傾向として、エモの豪速球です。

刀ステを履修しよう!

刀ステの過去作品の多くはDMM.TVで配信されています。月額500円のDMMプレミアムに入れば見放題!
刀ステ特設ページに行って、一番下から観て行けばOK。
あ、「虚伝 燃ゆる本能寺(再演)」と「外伝 この夜らの小田原」は後回しで大丈夫です。虚伝再演はまぁ初演とストーリーは一緒だし(ストーリーは)、外伝はほんとに外伝なので。
途中、刀剣男士が「旅に出る」と言い出しますが、これはゲーム内にある要素で、刀剣男士は修行から帰ってくると「極(きわめ)」というパワーアップした姿になります。

「配信にあるだけで9作品か……」としり込みしたそこのあなた。分かります。ちょっと絞りましょう。

「ジョ伝」→「悲伝」→「維伝」(→綺伝)でもストーリーは追えます。
維伝を観る前に「そしてまんばちゃんは旅にでた」と唱えて下さい。

というのも、刀ステのストーリーはジョ伝で大きく動き、悲伝で「第一部完」、慈伝を挟んで維伝から第二部が始まり、2022年上演の綺伝で第二部完となったのです。第一部と第二部のストーリーはこれで把握できるかと。2022年上演の綺伝は、配信が始まったらご覧ください。
(配信している科白劇は別本丸の話なのでご注意を)

思わせぶりに背中だけ見せた三日月宗近が何やってるのかを知るには、「悲伝」だけでも大丈夫。
もし追加で物語のギミックをもっと知りたくなったら「ジョ伝」を、
キャラが気になったなら「虚伝」や「義伝」を観てみるとよいかも。義伝には歌仙さんと大倶利伽羅もいるので、刀ステ本丸と禺伝本丸とを比較できるかもしれません。 

結局刀ステで何が起こっているのか問題

そんな時間はないけど、刀ステで何が起こってるのかちゃんと把握してから19日の配信に挑みたいんだ、という方もいらっしゃるでしょう。
完全にネタバレになりますが、文章で書くと以下の通りです。


山姥切国広を近侍(第一部隊隊長、本丸全体のまとめ役)とする刀ステ本丸は、戦いを続ける中で関ヶ原の戦いから抜け出せなくなったり(義伝)、いるはずの無い者達と遭遇したり(ジョ伝)、時間の流れがおかしくなる状況に遭遇するようになった。そしてある日、本丸は敵の襲撃を受けて、事態が判明した。
かつて、何らかの事件をきっかけに三日月宗近は顕現から「最期」までの本丸の日々を繰り返す円環のなかに囚われるようになり、繰り返しが続くあまり三日月宗近を中心に時間軸が狂うようになってしまったのだ。審神者は時の政府の命令で三日月宗近を刀解、三日月宗近を円環のなかに残したまま、山姥切国広たちは新たな本丸で再出発することとなる(悲伝)(第一部完)

新たな仲間たちの励ましもあり、山姥切国広は三日月宗近を救うため、もっと強くなるために修行に出る(慈伝)

三日月宗近を喪い、山姥切国広が旅から戻ってこないまま、本丸は新たな戦いに出陣する。そこは本来の歴史からは切り離された「歴史改変された時間軸」で、敵は「強い物語」を求めて改変された時間軸のなかを繰り返している。(維伝、綺伝)
時の政府も本丸の者たちもまだ気付いていないうちに、敵の目的は達成しようとしている(第二部完)

これで分かりました……?
私は書きながら良く分からなかったです。

刀ステは(禺伝もそうだったように)時系列が複雑で、かつ発端の事件がまだ明かされていないのもあり、この解釈で合ってるのかよく分かりません。この記事を読んだあなたも、実際に観たら違う解釈が生まれるかもしれません。また、書き切れなかったギミックもいろいろあります。
そこはぜひ、いつか映像を観てお確かめください。