ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」観劇
ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』、雷鳴とともに加藤和樹が現れるからフランケンシュタインが始まるのかと思った(だいたい合ってた)
というのは半分冗談だけども。
全体のダークな雰囲気、交錯する時間軸、倫理観との戦い、急展開するストーリー、そして加藤和樹(←)と共通点は多いし、片方好きな人はもう一方も好きな可能性高いと思う。
私はフランケンの方が好きだけど、JtRも中毒性が高く面白かった。ストーリー把握した今もう一度観たらさらに刺さりそう。
やさぐれ和樹に闇堕ち達成とかそりゃ観たいやつでしょー!
状況が許せばWキャストのもう片方、特に加藤ジャックも観たかった。メインキャストで役替わりとか和樹に負担かけすぎでは? と思ったけど、まぁ確かにどっちも観たいやつでしたね……
キャスボの通りJtR公式としてはダニエルが主演みたいだけど、ダニエルの登場は1幕半ばから。アンダーソンの方が目立ってたし、韓国版ではアンダーソンが主演らしいし、色んな意味で番手は謎。
とはいえ2幕のダニエルが変わっていく様は存在感あったし、圧倒的“““陽””””の達成くんが愛ゆえにジャックの誘惑に抗えなくなるのは説得力があった。関係ないけど達成くん、『サンセット大通り』のジョーも合いそうですね。
アンダーソンの過去に何があったのか、ポリーとは結局どういう関係なのか、全く語られないところが韓ミュらしいし妄想がふくらむ。警部だしまぁまぁ有能なんだろうが既に重度のコカイン中毒で、幕が降りたあとも破滅しか感じられない。仕事中にコカイン吸ってるところとかかなりやばいけど、追いつめられるにつれて色気が増してたいへん良かった。
アンダーソンの相棒のような存在となる(しかし捜査の邪魔ばかりするw)モンロー、金とスクープしか頭に無いようなかなり嫌なやつで、お近づきにはなりたくないが彼が世紀末ロンドンらしい猥雑さを作り出していたと思う。あと、万里生さんが本当に楽しそう。
ジャックが何者か、というのはネタバレにもなるけどまぁだいたいお察しの通り。堂珍ジャックは少しダミ声でいかがわしく、良かった。
2幕で赤いコートになるの良いですね。そして1幕のコートと同じタイプを2幕で「彼」が着てるよね? もし映像が出るならそのへん確かめたいところ。
グロリアとポリーも素晴らしいソロがあり魅力的だったけど、あまりにも男性陣がキャラも濃かった。
ちょっとネタバレですが。結末に至る理由が「被害者たちを誰かの物語の小道具にしない」と言いつつこういう物語を描くのは、実際にあったフェミサイドの被害者たちを消費してることになるのでは……? と思わないでもなかった。
100年以上前の事件だし私は史実と切り分けて物語を楽しむつもりだけど、脚本家としては思うところがあったんだろうか。
奥行きのある舞台装置がすごく好き。装置が好きって初めてかもしれない。
ポスタービジュアルも奥行きを感じるし、ロンドンの入り組んだ道、その路地裏の出来事だという意図を感じた。
余談
収録と観劇が重なることに定評のあるオタクです(9/20マチネでした)
けっこうカメラ多かったみたいだし、何らかの形で残ると良いですね!
私の予想&希望はWOWOW放送です。