キャベツ畑でつかまえて

観劇の長い感想と記録を残すブログです

ミュージカル「マタ・ハリ」妄想

6月17日ソワレ、ミュージカル「マタ・ハリ」を観てきた。

他の人の感想を読むとわりと…… 違うというか、私の感想がひどいことに気付いたので、ちょっとまとめてみたい。

ふざけた内容なので、真面目なファンは読まないで欲しい。

あと、ネタバレを含みます。

 

キャストはこんな感じ。

(どうでも良いけど、ポスターも撮るつもりで忘れてた……)

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という訳で、観たんだけどさ。

ワイルドホーンの楽曲、美男美女が織りなす三角関係、そして、

こじらせて執着して破滅する加藤和樹、最っ高……!!

 

以上です。有難うございました。

いや終わらないけど。

 

起こっていることはいちおう悲劇なんだろうけど、やってることは徹頭徹尾メロドラマで、完全に他人事としてニヤニヤしながら観てた。他人の悲恋は楽しいなー!

 

ラドゥーがわりと唐突に恋に落ちてるんだけど、たぶん、本人としても想定外の恋だったんだろう(和樹はすぐ恋に落ちる)

出世のために上司の娘と結婚し、仕事の一環としてマタに出会い、利用するつもりで落とされて、そのことに自分でも理解できず受け容れられないまま執着だけ募らせちゃった感じ。バカかな?

マタがアルマンに惹かれたのは想定内なはずで、初めからそれを狙ってたんだろうから利用すれば良いのに、しない。嫉妬に囚われてわざわざ死地に送り出す。

あれ、「君がさいきん可愛がってる男、配属を決めるのは私なんだが…… 分かるね?」とか何とか言えば、もっとスパイ活動してくれそうだし、素敵な一晩を過ごす事もできたかもしれないのに!

諜報部の割にそういう事は一切考えず、恋に翻弄されてるのマジで加藤和樹だった(ひどい発言だね!)

いかにも仕事できそうなのにやってる事があれなので、いちおう第一次大戦じゃなければフランスが負けてたと思う。

 

いやほんと、裏ではずっと戦争が続いてるし、舞台上でもピエールがずっと戦い続けているのが見えてるので、もうちょっと悲劇として受けとめるべきなんだろうけど、何しろメインが全力のメロドラマなので、もうすっかりそっちにいってしまった。

これが太平洋戦争だったら私も「いやそんな場合ではなく……」ってなってたかもだけど、第一次大戦ならまぁヨーロッパの話だし、もうすぐフランスが勝つので。

あと、史実がわりとフワフワしてるので(詳しくないから知らない)架空フランスの戦争ものとして受けとめていたかもしれない。

最近は舞台を観て現実と引き合わせていろいろ考える事が多かったけど、思いっきり非現実のロマンとして味わうのも楽しい観劇だな、と思い出したのでした。

 

 

他のことも少し。

ちゃぴマタが本当に美しくてチャーミングで、老若男女を惹きつけるマタ・ハリとしての説得力がすごかった。そりゃアルマンもラドゥーも恋をするわ。

辛い経験をしたから男たちを本心では信じておらず、でも若いアルマンと出会ってそのひたむきな情熱に少しずつ心が温められていたのが良かった。

裁判でラドゥーに過去を責めたてられ、魂が踊るシーンが哀しく美しい。彼女にとって踊ることが何よりも必要であり救済だったのがよく分かる。

そしてアルマン。あそこなんで出て来たって感じだけど、アルマンがマタの愛と信頼に応える事でマルガレーテの魂が本当に救われたんだね…… 

(ラドゥー残念だったね!)

 

アルマン、一人だけ若いんだよね…… たぶん20代。ラドゥーとマタはアラフォーくらい。

本人としてはスレているつもりだし、最初は演じるくらいのつもりだったろうけど、マタの前の姿が本当のアルマンだったんだろう。

情熱的で、愛情深く、少し臆病。愛に殉じるしかないような人だった。

 

アンナとの絆が愛しい。

母のように姉のようにマタを案じ、マタを通じて踊り、マタと一緒に生きているひと。

ずっとアンナと一緒に暮らしていられたら良かったね。

 

 

という訳で、面白かったー!

Wキャストの配信もあるので楽しみです。

(殴り書きだけど、観る前に書きおわってよかった)